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決定論と非決定論:統計学と確率論を考える

2010 年 3 月 15 日 コメントはありません
以下、個人的解釈を含みます。
責任は持ちません。


あらゆる出来事は、その出来事に先行する出来事のみによって決定している、とする立場。

物理的な考え方と、概念的な考え方が存在するが、
科学の世界ではラプラス先生の「ラプラスの悪魔」が有名。

例えば、コインを投げる。
表が出る確率は50%。

でも、コインを投げる確度、力、加速度、空気の状態などなど
周辺環境要因を解析すれば、投げた瞬間に表か裏かどちらかが
決定されてる、というのがラプラス先生のご意見。
それはただ単に人間には判別できないだけで、そういう事象が全部理解できて、
分析できるすごい人(とは限らず)がいれば、未来も含めて予測できるという話。
これがラプラスの悪魔ですね。

世の中には偶発的なことなどなく、全てが何か起因する要素があって
発生した必然的なことであるということです。

でも、これは20世紀に入るとハイゼンベルグ先生が不確定性原理を提唱し、
量子力学の基礎が整備された。
これはわかりにくいんだけど、粒子の運動量と位置を同時に正確に測ることが
出来ないという事実があって、これは元々決まっていないということらしい。
このコペンハーゲン解釈によって決定論は否定される。

でも、結局アインシュタインも「神はサイコロを振らない」って決定論っぽい
ことを言ってみたり、ホーキンス先生みたいな名高い物理学者さんも
決定論的な解釈を支持してる。
ま、結局揺れてるわけね。

これ、人間の心にも適応されんじゃね?
というのが決定論/非決定論のもう一つの側面で、概念的な方。
つまり購買行動とか、消費行動とか、何か人が行動を起こす際には、
必ず何か要因があると。

逆説的に言うと、詳細にその人の生い立ち、環境要因、生活における情報接触などを
解析していけば、100%行動を起こさせることが出来る!ってのが決定論。
洗脳とか、マインドコントロールとか、そうですよね。
人間の本来の欲求を強力な力や思想で支配して、同じ方向に動かすわけです。

あながちね、大きく間違ってないと思うんですよ。
少なくとも、大多数に関しては正しいのではないかと。
こういうことは総じて「●●だ」という方が難しくて、
「●●じゃない」ということは反例を出せばいいから楽なんです。
「大枠で●●だ」というのが決定論じゃないかと僕は思います。

話はちょっとずれるけど、確率論は統計学の予測をする学問。
統計試行を数式で予測するのが確率ですね。

つまり、コインを4回投げて、表が何回出るかって話を
考えると、統計でいくとあくまで2回を中心とした正規分布を
描くだけなわけです。

確率論では、期待値として「2」という具体数字が出ますが、
これはあくまで「2が正解に”近い”」というだけで、実際には
2回出る確率なんて38%程度だったりするわけ。

それで行くと、決定論ベースで統計→確率論に持っていけば、
「これが正解っぽい」というコントロールの法則に行きつく
わけで、それがつかめたら実現できるんじゃないか、と思ったり。
そんなこと考えてたら面白いだろうな~って、朝電車の中で考えながら
通勤してる、ちょっとした変態だと思います。自分でも。

何か疲れているのかもしれませんねぇ。
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パスカル先生のはなし

2010 年 2 月 23 日 コメントはありません

数学的にありえない〈上〉 (文春文庫)

数学的にありえない〈下〉 (文春文庫)

今読んでいる本。

まだまだ途中なので感想はあらためて、として
パスカルの話が出てきたので、忘れないように。

パスカルといえば、フランスの天才数学者。
「人間は考える葦である」の人です。
パスカルの定理とか、パスカルの三角形とか、
計算機を始めて作った人としても有名です。

そんなパスカルさんが確率論を作り上げたお話。
確率論の成り立ちは、サイコロ賭博だそうです。
フランスの貴族のダメ男が、パスカル先生に相談したんだ
そうですね。

「サイコロを4つ振って、6の目が一つでも出たら客の勝ち、
6の目が一つも出なければ賭場の勝ち」

この場合、はたして賭場が有利か?客が有利か?

実は答えは簡単です。

「ギャンブルは必ず賭場が有利」

つまり、賭場が有利に作られていなければ賭場なんてものは
存在しないんですね。

しかし、パスカル先生はこれを数量的に証明したかった。
んで、一生懸命計算して、賭場がちょっとだけ有利だという
ことを証明したんだそうです。
それが確率論という学問の始まり。

やっぱり何事も人間の欲望から進化を遂げるんだなぁ、というお話。

ちなみに、さらなる余談ですが、稀代の天才数学者・パスカルさんは
その後確率論に目覚め、物事の確率を考えていくようになります。
そして、宗教に没頭するのか、快楽的な人生を送るのか、どちらが
幸福になる確率が高いか、ということを研究し、宗教の方が高い
という結論が出たそうです。
死後の世界に幸福を迎える方が、プラス無限大の幸福という
結論だったそうで。
(生の世界は有限なので、幸福は有限だと)
そして、すっぱり数学をやめ、晩年を宗教研究に費やしたとのこと。

天才数学者はやはり変人と紙一重なのです。
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